日本橋魚河岸跡
所在地 中央区日本橋室町1-8
日本橋から江戸橋にかけての日本橋川沿いには、幕府や江戸市中で消費される鮮魚や塩干魚を荷揚げする「魚河岸」がありました。ここで開かれた魚市は、江戸時代初期に佃島の漁師たちが将軍や諸大名へ調達した御膳御肴の残りを売り出したことに始まります。この魚市は、日本橋川沿いの魚河岸を中心として、本船町・小田原町・按針町(現在の室町1丁目・本町1丁目一帯)の広い範囲で開かれ、大変な賑わいを見せていました。
なかでも、日本橋川沿いの魚河岸は、近海諸地方から鮮魚を満載した船が数多く集まり、江戸っ子たちの威勢の良い取引が飛び交う魚市が立ち並んだ中心的な場所で、一日に千両の取引があるともいわれ、江戸で最も活気のある場所に一つでした。
江戸時代より続いた日本橋の魚河岸では、日本橋川を利用して運搬された魚介類を、川岸地に設けた桟橋に横付けした平田舟の上で取引し、表納屋の店先に板(舟板)を並べた売り場を開いて売り場を開いて売買を行ってきました。
子の魚河岸は、大正12年(1923)の関東大震災後に現在の築地に移り、東京都中央卸売市場へと発展しました。
現座、魚河岸のあったこの場所には、昭和29年に日本橋魚市場関係者が建立した記念碑があり、碑文には、右に記したような魚河岸の発祥から移転に至るまでの300余年の歴史が刻まれ、往時の繁栄ぶりをうかがうことができます。
平成19年 3月 中央区教育委員会
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